規制委、柏崎刈羽1号機の非常用ディーゼル発電機トラブル対策について公開会合開催へ

2018年9月19日

 原子力規制委員会は9月19日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所1号機(停止中)で8月30日に発生した非常用ディーゼル発電機のトラブルについて、10月中にも公開会合を行い、同社による原因調査や再発防止策を確認することとした。
 規制委員会では5月に、事故・トラブルが発生した際、事業者による責任の明確化、対応状況の透明性を確保する観点などから、必要に応じ公開会合を開き、事業者との技術的な意見交換も行った上で、評価を取りまとめることとした。既に、6月に発生した中部電力浜岡原子力発電所5号機の非常用ディーゼル発電機トラブルについても公開会合が8月に行われている。

柏崎刈羽1号機非常用ディーゼル発電機(B)(©東京電力HD)

 柏崎刈羽1号機で発生したトラブル事象は、原子炉建屋地下1階に設置されている非常用ディーゼル発電機を、定例試験のため起動し確認運転を行っていたところ、異音とともに発電機の出力が定格の6,600kWからゼロに低下したというものだ。その後の原因調査により、燃焼用空気を圧縮して機関に供給する過給機と呼ばれる装置で軸の固着が確認され、東京電力では、原因特定のため工場搬出が必要なことから、調査状況の取りまとめは9月下旬になるとしている。
 19日の規制委員会定例会合の終了後、海外出張のため欠席となった更田豊志委員長に替わり定例会見に臨んだ田中知委員長代理は、福島第一原子力発電所3号機の燃料取扱設備のトラブルにも言及しながら、「品質保証の問題。メーカー任せにせず東京電力がしっかりとトップマネジメントを発揮して欲しい」などと強調した。
 所内電源喪失の備えとなる非常用ディーゼル発電機は、先般の北海道大地震で泊発電所の外部電源が失われた際に起動しており、プラント停止中においても使用済み燃料冷却を確保するものとして関心が高まっている。