規制委、東海第二が新規制基準に「適合」との審査書を決定

2018年9月26日

 原子力規制委員会は9月26日の定例会合で、日本原子力発電(原電)の東海第二発電所が新規制基準に適合しているとする審査書を決定した。BWRプラントでは、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機に続いて3基目となる。東海第二発電所は、1978年11月の営業運転開始から間もなく法定期限の40年を迎えることから、再稼働するにはそれまでに運転期間延長および工事計画の審査もクリアする必要がある。
 規制委員会では7月に本件の審査書案を取りまとめ意見公募を行ったが、内部火災対策の関連で、非難燃ケーブルへの対応に関する意見が多くあり、原電による防火のための施工が十分に保安水準を満たしていることを、今後の工事計画認可に係る審査や、工事実施後の使用前検査で確認するとしている。また、近隣の東海再処理施設のトラブル発生を懸念する意見も多数あったが、規制委員会では、審査における周辺原子力施設の影響に関する考え方について整理を進めているところだ。
 東海第二発電所の審査は、2014年5月の申請から4年を超す審査期間を要しており、特に津波対策では、固有の地盤特性などを考慮し、当初の盛土方式から、より強固な支持力を確保できる「鋼管杭鉄筋コンクリート防潮壁」へ変更がなされ、社長からの説明聴取も行う議論となった。
 26日の定例会合では、この他、新検査制度について、2020年度の本格運用開始までの間、10月より3つのフェーズに分けて、問題点の抽出・検証、意見聴取などを踏まえながら、試運用を進めていくことを確認した。更田豊志委員長は、会合終了後の記者会見で、「紙上の議論ではなく、現場を前にして初めて分かる」などと、試運用を通じた検査官のスキルアップに期待を寄せた。