原産協会ブリーフィング:高橋理事長、BWRの審査進捗に期待示す

2018年9月28日

 原産協会の高橋明男理事長は9月27日、定例のプレスブリーフィングを行った。
 前日26日に日本原子力発電の東海第二発電所が、原子力規制委員会で新規制基準に適合するとの審査書が決定されたことについて、高橋理事長は、先行した東京電力柏崎刈羽6、7号機の知見も活かし、今後のBWRの審査が円滑に進むよう期待を寄せた。
 さらに、25日に広島高裁が四国電力伊方3号機の運転差止仮処分命令を取り消す決定を行ったことについては、他の高裁地裁で係争中であることを踏まえ、各電力会社に「しっかり説明して欲しいということに尽きる」などと述べ、規制委員会による技術的判断に対し十分な理解がなされる必要性を示唆した。
 また、IAEAが最近発表した「世界の原子力発電規模予測」(*)に関連し、低予測ケースでは2030~50年に現在より下がる見通しがあるといった指摘に対して、予測の詳細については把握していないとしながらも、低予測の背景には多くの廃炉となるプラントがあることが要因ではないかとした。しかし反面、今後、原子力を利用しようとする国もあり、再生可能エネルギーの不安定性や、パリ協定に対し日本が掲げる「2050年に13年比で温室効果ガス80%削減」の目標達成には「再エネや火力だけでは難しい」として、将来的に原子力を利用していく必要性を強調した。
 この他、10月からの新検査制度の試運用、原子力事業を巡る電力・メーカーの提携などに関する質疑応答があった。2020年に本格運用を開始する新検査制度について、高橋理事長は、今後のタイトなスケジュールを懸念しながらも、確率論的リスク評価(PRA)の活用にも言及し「安全の実をあげるよう期待したい」としている。

*原産協会国際部取りまとめ資料がこちらよりご覧になれます。