「RADIEX」開催、環境放射能対策・廃棄物処理の技術が一堂に

2018年10月16日

福島復興に向け、前田建設工業は「省人化施工への挑戦」をアピール

 福島第一原子力発電所事故からの環境回復に向けた技術を一堂に集めた環境放射能対策・廃棄物処理国際展「RADIEX」(環境新聞社主催)が10月10~12日、東京・北の丸公園の科学技術館で開催された。今回、7回目の開催となった「RADIEX」は、除染の進展に伴う除去土壌の減容・再生利用や本格輸送への動きなどをとらえ、「着実な環境再生の推進と廃炉を目指して」をテーマに掲げ、海外企業を含め計24社・団体が技術成果を披露し、会期中、約4,000人が来場した。
 除去土壌を最終処分までの間、集中管理・保管する中間貯蔵事業の取組に向け、前田建設工業は、「省人化」と「迅速化」をコンセプトに掲げた仮置場からの搬出、輸送、受入、分別、土壌貯蔵までの技術開発について模型を用いて紹介した。

フジトクの高感度小型ガンマカメラ(左)、核種ごとの線源の位置を画像表示し強度をグラフ化する(右)

ミツフジのウェアラブルIoT、シャツ前面に装着したトランスミッターで心電・心拍や温度・湿度などのデータを取得・送信する


 これらの作業は、処理の迅速化や合理化を図るとともに、作業者への被ばくにも配慮する必要があるが、ダンプ積込の無人化や重量/線量測定の自動化などを図ることで、従来の工法と比べ約75%の省人効果につながるとしている。
 この他、光学部品メーカーのフジトクは、放射線検出用の半導体結晶「CZT」を採用した高感度小型カメラを、ウェアラブル技術のミツフジは、過酷な環境で作業員の体調を守るスマートシャツとこれに装着し心拍数などを測定・送信するトランスミッターを展示し、被災地の復興や福島第一原子力発電所の廃炉進捗につながる独自の技術をアピールした。

国際廃炉研究開発機構の石橋英雄理事長は「燃料デブリ取り出しの技術開発はこれからが正念場」と話す(会場内の講演にて)


 また、海外からは、韓国の放射線測定・医療分野で実績のあるNUCAREなどが出展した。