秋の叙勲、原産協会会長の今井敬氏が桐花大綬章
政府は11月3日、秋の叙勲を発表。桐花大綬章を元新日本製鐵会長で、現在原産協会の会長を務めている今井敬氏が受章した。今井氏は、多年にわたり、鉄鋼業の発展に尽力するとともに、経済団体連合会(現、日本経済団体連合会)会長として、日本経済の発展に貢献したほか、中央省庁等改革推進本部顧問座長を始め、幅広い功績を有している。
この他、原子力関連では、旭日大綬章を元経済産業相の平沼赳夫氏、元文部科学相の高木義明氏が受章した。平沼氏は、2000年の第2次森内閣発足で通商産業相に就任し、2001年1月の中央省庁再編時には初代経産相として、新たな行政体制下でのエネルギー政策推進に手腕を発揮した。2003年までの在任中、東京電力の原子力発電所一斉点検があり、安全が確認されたプラントの再開に向けた地元説明や首都圏の電力需給対策で対応に当たった。
一方、高木氏は、2010年の菅第1次改造内閣発足時、民主党政権で2代目の文科相に就任した。在任中には、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故が発生し、文教・科学技術行政の立場から、事故収束、復旧支援、放射線・防災教育の充実化に尽力した。
また、旭日重光章を元宮城県知事の浅野史郎氏、元福島県知事の佐藤雄平氏、元日本原子力研究所(現、日本原子力研究開発機構)理事長の齋藤伸三氏らが受章した。浅野氏は1993~2005年、宮城県知事を3期務めており、在任中には、県内に立地する東北電力女川原子力発電所1、2号機が運転を開始した。佐藤氏は2006~14年、福島県知事を2期務め、在任中に東日本大震災・福島第一原子力発電所事故が発生し、地元対応や政府への復旧支援要請などに尽力した。
齊藤氏は、日本原子力研究所理事長を退任後、2004~06年に原子力委員会の委員長代理を務めた。福島第一原子力発電所事故後は、技術同友会「原子力発電所過酷事故防止検討会」や日本原子力学会「シニアネットワーク」の活動をリードするなど、原子力安全確保に向けた知見の伝承や次世代層の啓発にも力を入れている。