ロスアトム社が日本事務所開設で式典開催、さらなる協力深化に期待

2018年11月15日

 ロシアの国営原子力企業ロスアトム社の日本事務所開設式典が11月12日、都内で行われた。
 冒頭、ミハイル・ユリエビッチ・ガルージン駐日ロシア大使(=写真上)が挨拶に立ち、ロスアトム社日本事務所の開設を祝し、「日露交流がダイナミックに発展することは大変重要」と述べた。また、近年の両国間における貿易高の増加傾向に関し、「こうしたトレンドは今後も続いていく」とした上で、「ロスアトム社は原子力平和利用の分野で、日本市場において信頼あるパートナーシップを築くことができる」と強調し、日本事務所開設を契機としたさらなる経済協力の進展に期待を寄せた。
 ロスアトム社経営企画・国際事業担当第一副総裁のキリル・コマロフ氏(=写真下)は、記者団のインタビューに応じ、同社と日本との協力について、まず「20年以上にわたり、主にウラン製品を供給することで日本企業と協力してきた」と、これまで築かれてきた関係を評価した。また、福島第一原子力発電所事故後の日本の原子力発電について、「一つ一つ再開していくのを見て、良い展望を持っている」などと、前向き感を示した。その上で、今後の協力の可能性としては、第一にバックエンド分野をあげ、「ロシアは使用済み燃料や放射性廃棄物の処理で、かなりの実績がある」と自信を見せた。さらに、コマロフ氏は、新興国における建設や放射線の医療・農業利用についても意欲を示し、「ロスアトム社と日本の皆様とが力を合わせて仕事をしていくことは、非常に重要と考える」と強調した。