高速炉開発戦略ロードマップまとまる、世耕経産相「一貫性を持った継続的な取組」を
高速炉開発会議(議長=世耕弘成経済産業相)が12月20日に開かれ、同会議下の戦略ワーキンググループで18日に原案が取りまとめられた今後10年程度の高速炉開発の作業計画を示す「戦略ロードマップ」を決定した(=写真)。世耕経産相他、柴山昌彦文部科学相、児玉敏雄日本原子力研究開発機構理事長、勝野哲電気事業連合会会長、宮永俊一三菱重工業社長らが出席。「戦略ロードマップ」は近く原子力関係閣僚会議に諮られる運び。
三菱重工の宮永社長は、実績のあるナトリウム冷却炉を念頭にイノベーションを取り入れながら高速炉開発に取り組んでいくことを述べ、メーカーとして「技術と人材の強化に一層努めていきたい」とするとともに、今後の技術開発に向け、適切な規模の財政支援やインセンティブを与える制度設計を国に対し求めた。
また、原子力機構の児玉理事長は、高速実験炉「常陽」など、研究開発施設の維持とともに、「多様な概念に対応できるよう人材の育成を進めていく」ことを、電事連の勝野会長は、「長期的視点から資源制約を解消しうる有力な選択肢」として、柔軟性をもって開発に当たる必要性をそれぞれ強調した。
これを受け、柴山文科相は「何よりも人材育成と研究開発基盤の維持に取り組む」と述べ、世耕経産相は「高速炉開発はわが国のエネルギーにとって重要なプロジェクト。一貫性を持った継続的な取組が欠かせない」として、各々が持つ役割を果たし着実に進められることを期待した。