2019年度政府予算案が閣議決定
2019年度の政府予算案が12月21日に閣議決定された。
経済産業省では、資源・エネルギー関係として、「エネルギー基本計画の実行のため、最優先課題である福島の復興を着実に進めるとともに、2030年のエネルギーミックスの確実な実現、2050年のエネルギー転換・脱炭素化への挑戦、エネルギーセキュリティの強化に取り組む」との方向性のもと、対前年度比微増の7,804億円(エネルギー対策特別会計)を計上。内訳は、「福島の復興・創生に向けた取組」が953億円、「原子力の安全性・信頼性・機動性の向上」が1,267億円、「中長期的なイノベーション創出等に向けた取組の強化」が316億円などとなっている。
原子力関連では、新技術炉開発に係る民間企業の取組を支援する「社会的要請に応える革新的な原子力開発支援事業」として新規に6.5億円、再稼働や廃炉などの原子力を取り巻く環境変化に応じ立地地域の産業振興を支援する「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業」として対前年度比13%増の63.5億円が計上された。
また、2018年は災害が相次いだが、給油所に自家発電設備などを整備し災害対応能力の強化を図る「災害時に備えた地域におけるエネルギー供給拠点の整備事業費」は、8月末の概算要求時で23.2億円の計上額だったが、9月の北海道胆振東部地震に伴うエネルギーインフラの被災もあり、今回の予算案では120.3億円と大幅増となった。
文部科学省では、原子力関連として対前年度比微減の1,477億円を計上。そのうち、基礎基盤研究・人材育成が48億円、福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉に資する研究開発が45億円、新規制基準への対応・施設の安全確保対策が127億円などとなっている。新型転換炉「ふげん」の使用済み燃料搬出に向けた準備や新たなエネルギー基本計画に基づく施策推進を見据え、核燃料サイクル・高レベル放射性廃棄物処理処分の研究開発では、対前年度比10%増の452億円を計上した。
原子力規制委員会では、対前年度比微減の547億円を計上。新規施策では、研究ノウハウの蓄積に向け日本原子力研究開発機構との連携強化などを図る「原子力の安全研究体制の充実・強化事業」(8.2億円)がある。
内閣府の原子力防災関連では、地域防災計画・避難計画の具体化・充実化を進めるべく、対前年度比27%増の139億円の計上となった。