更田規制委員長、会見で六ヶ所再処理工場の「審査書案」取りまとめに関し質疑応答

2019年1月31日

 原子力規制委員会の更田豊志委員長は、1月30日の定例記者会見で、現在大詰めとなっている日本原燃六ヶ所再処理工場(=写真)の新規制基準適合性審査の状況について記者団からの質疑に応じた。
 28日に開かれた同委の審査会合で、日本原燃は重大事故への対処、火山灰対策や火災防護について説明し、今後これまでの議論を整理した上で、補正申請書を提出するとしている。再処理工場の審査を巡っては、安全上重要な耐震Sクラスとされる施設について、2018年9月までに一通りの論点を確認し終わっているが、10月に日本原燃は航空機落下や火山の影響を考慮した補正申請書を提出しており、詰めの議論に入っているところだ。
 会見で、「審査書案」取りまとめの見通しを問われたのに対し、更田委員長は「補正書提出のタイミングにもよるが、まだそのステージには入っていない」と、時期については明言しなかった。また、「新たな技術的論点があるわけではない」としながらも、深層防護や重大事故対処に係る基準の考え方に関して、炉心損傷といった「明確な分岐点」がある原子力発電プラントと比較し、再処理工場については「安全を守るためのアプローチが随分と違う」として、十分に説明する必要性を強調した。
 日本原燃は、2021年度上期の六ヶ所再処理工場しゅん工を目指している。