東芝、原子力で培った「レーザピーニング」で新たなソリューション展開

2019年2月13日

 東芝エネルギーシステムズは、原子力発電所における原子炉内の機器の損傷対策の一環で開発したレーザピーニング技術を、他の産業への活用に向けてPRするために、2月6日~8日に東京ビッグサイトにて開催の機械要素技術展に出展した。(詳細はこちらを)
 レーザピーニングは、金属材料の引張残留応力を圧縮残留応力に改善する技術であり、同社では高経年化プラントの課題のひとつである応力腐食割れ(tress orrosion racking、SCC)の防止に活用し、多数の実績を重ねてきた。同技術による表面残留応力の改善効果は、疲労強度の向上にも効果があることから、航空や自動車等の産業においても設計裕度拡大・長寿命化・小型軽量化が期待され、活用が見込まれる。

「機械要素技術展」で説明に当たる市川博也氏(原子力機械システム設計部)、「他産業のニーズを真摯に受け止め是非応えていきたい」と強調する

 原子炉はメンテナンス中も常に水が張られており、原子炉内への適用のためには、水深数十mの水中で遠隔施工できる必要があることから、東芝エネルギーシステムズでは水中で、精密に、遠隔操作が可能なシステムを目指し、光ファイバーの利用などによりそれを実現してきた。これらの経験から、原子力以外の産業での活用においても「狭い場所に施工」、「複雑な形状を精密に施工」、「水中で遠隔施工」といった多様な条件への対応が可能であり、特に、約10mmの小口径パイプ内面へのアプローチは、東芝エネルギーシステムズ独自の技術を誇っているという。
 今後、幅広い顧客からの要望に応えるべく、最適な施工条件の選定・提案、及び装置の設計・製造からメンテナンスまで、充実したサポート体制で対応することとしている。