2019年度末の常磐線全線再開に向け、富岡町・夜ノ森駅他の整備が進む
帰還困難区域内での避難指示を解除し、居住可能とすることを目指す「特定復興再生拠点区域」の早期整備に向け、JR常磐線で現在不通となっている区間(富岡~浪江、20.8km)の駅舎の工事が進みつつある。
「特定復興再生拠点区域」の対象となる範囲や土地利用などを定めた「特定復興再生拠点区域復興再生計画」を市町村が作成し、国が認可することにより、区域内の除染・インフラ整備を一体的かつ効率的に推進し、帰還困難区域の復興・再生の足がかりとするもの。現在、双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、飯舘村、葛尾村の6町村による計画が認定されている。
富岡町に立地する夜ノ森駅(=予想図上、©JR東日本)については、「豊かな自然に溶け込む駅」を設計コンセプトに、今春にも東西自由通路と橋上駅舎の新設工事に着手し、常磐線全線運転再開が予定される2019年度末に供用を開始する計画がこのほどJR東日本水戸支社より発表された。富岡町の「特定復興再生拠点区域復興再生計画」では、同町内の鉄道施設区域すべてが「特定復興再生拠点区域」の対象とされており、夜ノ森駅の駅舎整備は、桜並木等の観光資源を活用した町づくりを目指す「人と桜の共生ゾーン」構想の一環として盛り込まれている。
また、双葉町の「特定復興再生拠点区域」に立地する双葉駅(=予想図下、©JR東日本)についても、2018年8月に、「おもてなし・つなぎ・にぎわいを生む駅」を設計コンセプトに、2020年春の供用開始を目指して橋上化・自由通路新設の工事が始まっている。