千代田テクノル・細田会長が仏政府より国家功労勲章、ガラスバッジ線量計の共同開発で

2019年2月28日

 千代田テクノルの細田敏和会長がこのほど、フランス政府より国家功労勲章「シュヴァリエ」を受章。2月27日にフランス大使公邸で叙勲式が行われた。同社の強みとするガラスバッジ個人線量計をフランスの専門家組織「放射線防護・原子力安全研究所」(IRSN)に共同開発・納入し、放射線防護技術における両国間の協力関係進展に大きく貢献したことが評価されたもの。

握手を交わす千代田テクノル細田会長(左)とピック仏大使

 叙勲式で、ローラン・ピック駐日フランス大使は、千代田テクノルとの共同開発による線量計がIRSNの活動のパフォーマンス向上につながったことを強調し、「企業の中に『よいものを作る』という気持ちがあった」などと、同社の持つ高い技術力やサービス提供の精神を評価した。また、千代田テクノルの技術による線量計が世界各地で用いられていることをあげ、同社を長年リードしてきた細田氏の活躍を、「日仏協力に留まらず、地球全体のために多大に貢献したと感じている」と称えた。
 ピック大使より勲章を授けられた細田氏は、「名誉な勲章をいただき、この上ない幸せ」と喜びをあらわにした。その上で、今回の受章に関し、長らくフィルムバッジ線量計による個人線量測定サービスを提供してきた千代田テクノルが、より性能の優れた器材の開発に取り組み、ガラスバッジ線量計が実用化された経緯を紹介。ガラスバッジ線量計は、創業以来初となる国際入札として、2005年にIRSNからの引き合いを受け、社員のパリ派遣や日揮との協力を通じ、落札に至ったとしている。細田氏は、「今回の受章を励みに日仏協力を一層進展させていきたい」と希望を新たにした。
 フランスの国家功労勲章は10年間で約150人の日本人が受章しており、「シュヴァリエ」は、最近では日本原燃社長(受章時、東京電力福島第一廃炉推進カンパニープレジデント)の増田尚宏氏やフリーアナウンサーの滝川クリステル氏らが受章している。