福島第一・小野プレジデント、3号機燃料取り出しで「遠隔操作の感覚は後続機にも活きる」
東京電力は4月25日、福島第一原子力発電所廃止措置の進捗状況を発表した。
15日より開始した3号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しは、輸送容器1基目として新燃料7体の共用プール建屋への移送が23日に完了した。燃料取り出しは、新燃料52体から着手することとしており、今後、さらに訓練を重ねた上で、7月にも輸送容器2基目の燃料取り出しが行われる予定。福島第一廃止措置の中長期ロードマップで、3号機の燃料取り出しは2020年度内の完了が見込まれている。(燃料取り出し作業の映像は こちら)
福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデントの小野明氏は、25日の月例記者会見で、目視で行われた4号機の燃料取り出しを振り返りながら、「3号機でつかんだ遠隔操作の感覚は、続く1、2号機の燃料取り出しにも活かされる」と期待を述べた。
1/2号機排気筒の解体工事に向けては、装置の構内移送・組立が25日に完了。昨夏に開始した解体装置の実証試験も2日に最終ステップを終え、13、18日に行われた筒身内外の線量測定やカメラによる調査では、作業に伴う周辺環境への影響など、計画に支障のないことを確認した。今後、5月中旬からの作業開始に向け総合的な動作確認を進めていく。
また、小野氏は会見で、4月から運用開始した在留資格「特定技能」を持つ外国人の福島第一原子力発電所内における就労について問われたのに対し、「関係省庁による指導を注視し業界団体の取決めにも従い的確に対応したい。日本人、外国人にかかわらず、現場の安全確保についてきちんと伝わることが一番重要」と強調した。「特定技能」の制度は、人手不足に対応すべく14の「特定産業分野」について、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れるものだ。