全原協が総会、国への要望事項に食品輸入規制の撤廃・緩和やクリアランス制度の取組も

2019年5月28日

全原協総会で挨拶に立つ渕上会長

 「全国原子力発電所所在市町村協議会」(全原協、会長=渕上隆信・敦賀市長)の総会が5月27日、都内で開かれ、立地地域の市町村長ら参集のもと、2019年度の事業計画・予算案が審議されるなどした。
 事業計画では例年通り、国・関係機関に対し、「被災地の復興」、「安全規制・防災対策」、「原子力政策」、「立地地域対策」について、早期の実現が図られるよう求める具体的要望事項を列挙。その中で今回は、風評被害対策として、「科学的に安全が確認されている食品に対する輸入規制の撤廃・緩和に積極的に取り組む」との文言が追加されたほか、廃炉の進展に伴い、クリアランス制度に対する国民理解の促進や関連する交付金制度の拡充などが新たに盛り込まれた。
 総会には政府関係者も訪れ、渕上会長は、エネルギー政策に協力してきた立地地域を代表し、エネルギーミックス実現の可能性、新増設・リプレースの方向性、原子燃料サイクル確立の見通しなど、現状を踏まえ、「原子力政策の将来展望は不透明」と憂慮した上で、「立地地域の切実な声」を真摯に受け止め政策に反映させて欲しいと訴えかけた。
 これに対し、経済産業省からは石川昭政大臣政務官、文部科学省からは白須賀貴樹大臣政務官、内閣府(原子力防災)からは山本哲也政策統括官が、それぞれの立場から取組姿勢を示した。
 国・関係機関への要望事項では、2020年度末に失効する「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」の延長について述べられているが、総会に来賓として訪れた衆議院議員の細田博之氏は、およそ20年前に同法の制定に関わった経験も振り返りながら、「原子力は人類にとって必要なエネルギー」と強調し、全原協の活動への支援に意欲を示した。