「Japan-IAEA 原子力エネルギーマネジメントスクール」が開講
原子力に係る政策・規制実施部門やプロジェクト企画・管理の担当者など、将来のリーダーを目指す若手人材を対象とした「Japan-IAEA 原子力エネルギーマネジメントスクール」が7月16日に、東京大学本郷キャンパスで開講した(=写真)。日本、ブラジル、インド、インドネシア、ヨルダン、カザフスタン、リトアニア、メキシコ、ポーランド、サウジアラビア、タイ、トルコから34名が参加。研修生たちは、8月1日まで、エネルギー戦略、放射性廃棄物管理、原子力安全・セキュリティ、核不拡散など、総数20コマを超す講義を受けるほか、グループワークや施設見学などを通じ理解を深める。最終試験をパスした者には修了証が授与されることとなっている。
IAEAとの共催による本スクールは、福島第一原子力発電所事故後の2012年に初めて日本で開催されて以降毎年実績を積み、今回で8回目の開催となる。今回は、期間中、例年実施の福島第一・第二原子力発電所と日本原子力研究開発機構楢葉遠隔技術開発センターの見学の他、福井県にも足を運び、関西電力大飯発電所の見学とともに、県から地方自治体による安全確保に係る取組について話を聞くことも盛り込まれている。
16日の開講式で、IAEA原子力エネルギーマネジメントスクール実行委員長を務める東京大学大学院工学系研究科教授の上坂充氏は、同スクールの教育プログラムに対する高い評価を強調した上で、研修生たちに「楽しく学んで行って欲しい」と歓迎の言葉をかけた。
この他、IAEA原子力エネルギー局核燃料サイクル・廃棄物技術部長のクリストフ・グゼリ氏、原子力委員会委員長の岡芳明氏、文部科学省大臣官房審議官の千原由幸氏、経済産業省資源エネルギー庁国際原子力技術特別研究官の舟木健太郎氏、原産協会理事長の高橋明男氏(原子力人材育成ネットワーク運営委員長)らが挨拶。開講式終了後、岡氏が「原子力エネルギーの利用」と題する講義に立ち、約3週間にわたる研修がスタートした。