岡原子力委員長、天野IAEA事務局長の逝去で哀悼の意

2019年7月23日

 原子力委員会の岡芳明委員長は7月23日の定例会合の冒頭、IAEAの天野之弥事務局長の逝去に哀悼の意を表した。
 2009年の就任から約10年間にわたる同氏の功績について、岡委員長は、国際的な核不拡散の課題のみならず、「平和と開発のための原子力」を掲げ、放射線利用も含め途上国支援に尽力したと称えた。また、在任中に発生した福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、これまで世界の原子力安全向上の取組をリードしてきたことを強調。さらに、「原子力委員長就任以来、毎年9月のIAEA総会の際にはウィーンを訪れ直接お会いした」などと、在りし日の天野事務局長の姿を振り返り、「リーダーシップを高く評価し深い敬意を表する」と述べた。

 その他、天野IAEA事務局長の逝去に関する談話等は以下の通り。
〈河野太郎外務相談話 7月22日発表〉
 本22日、国際原子力機関(IAEA)が、天野之弥IAEA事務局長の逝去を発表しました。
 天野事務局長は、2009年の就任以来、約10年わたり、北朝鮮やイランの核問題といった国際的な核不拡散課題に精力的に取り組むのみならず、「平和と開発のための原子力」の利用を掲げ、開発課題にも尽力してきました。また、東京電力福島第一原子力発電所事故の発生後には、日本への支援とともに、同事故の教訓等を踏まえ、世界の原子力安全向上の取組をリードしてきました。
 こうした天野事務局長のリーダーシップおよび業績を日本政府として高く評価し、生前の献身に深い敬意を表します。
 任期半ばでこの世を去られた天野事務局長の無念さは想像に難くありません。御遺族に心からの哀悼の意を申し上げるとともに、天野事務局長の御冥福をお祈りします。

〈原子力規制委員会・更田豊志委員長メッセージ 7月22日発表〉
 本日、国際原子力機関の事務局長を永く勤められた天野之弥氏の訃報に触れ、心よりお悔やみ申し上げます。
 東京電力福島第一原子力発電所事故の際には、国際的に正確な情報共有がなされるよう、また、この事故によるわが国の経験が国際社会にも活かされるよう意を尽くされた姿は、いまだ鮮明に記憶に残っています。今はただ故人が安らかに眠られることをお祈りいたします。