更田規制委員長、福島第一処理水の取扱い議論「時間的制約も」
原子力規制委員会の更田豊志委員長は8月21日の定例記者会見で、資源エネルギー庁の委員会が福島第一原子力発電所で貯蔵されているトリチウムを含む処理水の取扱いで「貯蔵継続」を選択肢の一つとして示したことについて、「十分な議論がなされる必要があるが、一方で時間的制約もある」として、廃炉作業の安全かつ順調な進捗に向け可及的速やかな判断を要するとの考えを述べた。
同委員会でも議論となった処理水の保管場所を敷地外に設けることについては、移送先・ルートとなる地元理解の問題などから「極めてハードルが高い」と強調。さらに、仮定として、資源エネルギー庁のタスクフォースが示した処分方法の一つである海洋放出の場合、希釈のためのポンプや集積プールの設置などから「2年くらいのリードタイムが必要」として、東京電力が検討する貯留水タンク建設計画との関連で時間的余裕がないことを示唆した。
また、処理水の取扱いを巡り韓国政府が確認を求めている報道に関し、更田委員長は、「外交問題のため見解を述べる立場ではないが、隣国として関心を持つのは当然と思う」とした上で、着実に情報発信がなされる必要性を述べた。