東電柏崎刈羽6、7号機再稼働後、5年以内に他号機廃炉も検討

2019年8月26日

柏崎刈羽原子力発電所全景

 東京電力は8月26日、「柏崎刈羽原子力発電所の再稼働および廃炉に関する基本的な考え方」を取りまとめ、櫻井雅浩・柏崎市長に報告した。〈東京電力発表資料は こちら
 2017年6月に市長から、柏崎刈羽6、7号機の再稼働を認める条件として、同1~5号機に関わる廃炉計画を2年以内に示すよう要請されていたもの。東京電力では、将来の電源構成を見据え、十分な規模の非化石電源確保が見通せる状況となった場合に、「地元の方々の理解を得て6、7号機が再稼働した後5年以内に、1~5号機のうち1基以上について廃炉も想定したステップを踏んでいく」と、廃炉の判断時期に関する考え方を示した。
 今回示された基本的考え方では、まず、同社の社会的責任として目指すべき「将来の電源構成のあり方」について整理。第5次エネルギー基本計画を踏まえ「2030年断面で発電電力量の約4割を非化石電源とし、太陽光、風力、水力、地熱等の再生可能エネルギーと原子力で対応」との目標達成に向け、今後10年間を目途に、再生可能エネルギーの200~300万kW開発を目指すとともに、「原子力発電プラントを最大限に活用することも志向して再稼働等に取り組んでいく」としている。
 2017年12月に新規制基準適合性に係る原子炉設置変更許可を取得した柏崎刈羽6、7号機のうち、7号機では安全対策工事が2020年12月頃完了予定となっており、同1~5号機については、6、7号機の審査内容を踏まえ現在新規制基準への適合性に関し検討中などと取組状況を示した。
 さらに、再稼働に当たっては、発電所におけるトラブルについて速やかに情報発信するとともに、新潟県が進める3つの検証委員会に最大限協力するなど、地元の方々の「安全・安心」につながるよう努め、理解を得ることを大前提とし、(1)安全性を満たすものである、(2)低廉かつ安定的な電気を供給できる――ことを確認するとしている。
 柏崎刈羽原子力発電所では、1985年の1号機に始まり、1997年までに全7基が運転を開始。2007年の新潟県中越沖地震に伴う影響を受け、プラントの健全性が確認された1、5~7号機以外、2~4号機はおよそ12年間稼働していない。