福島第一フランジ型タンク解体で「レーザー除染」本格運用、作業員の被ばく低減

東京電力は8月29日より、福島第一原子力発電所のフランジ型タンクの解体作業で、新技術「レーザー除染」の本格運用を開始する。〈「レーザー除染」によるフランジタンク解体作業の動画は こちら

レーザー除染装置のイメージ、2本のレーザーアームが180度回転しタンク側面全体を照射する(東京電力発表資料より引用)

 この新たな「レーザー技術工法」は、タンク本体の解体に先立ちタンク内面に付着した放射性物質の飛散抑制対策として施工するもので、7月までの試験施工結果から、従来の塗料を塗布する工法と比較し、タンク内面の表面線量が7割程度、作業時の被ばく線量も3割程度減少する効果が見込まれており、同社では今後他の除染作業への応用も検討していく。
 フランジ型タンクの解体作業で、「レーザー除染」は、機器の構造上、主にタンク側面に用いることとしているが、従来の工法時と同様、解体前にダスト濃度測定を実施するなど、安全を最優先に作業を進める。
 東京電力では、大成建設と東洋ユニオンとの共同開発による本工法について、「国内の実際の廃炉作業等において、比較的高い放射線量かつ広範囲の汚染に対する除染工法としてレーザー照射を適用するのは国内初」などと、大型機器による作業の効率化を期待している。
 福島第一原子力発電所の汚染水対策で、ボルト締めタイプのフランジ型タンクや横置きタンクは、漏えいリスクを伴うことから、信頼性の高い溶接型タンクへの置き換えが進められている。