九電が玄海2号機の廃止措置計画を規制委に申請、1号機と並行実施へ
九州電力は9月3日、玄海原子力発電所2号機の廃止措置計画について原子力規制委員会に認可申請を行うとともに、安全協定に基づき、廃止措置に係る事前了解願いを佐賀県と玄海町に提出した。
また、合わせて、既に廃止措置が進められている1号機について、2号機と同時並行で行う利点を活かすよう工程を見直した同計画の変更認可申請を同委に提出。これにより、廃止措置の完了時期は両機とも2054年度の予定。
玄海2号機の廃止措置計画は、「解体工事準備」、「原子炉周辺設備等解体撤去」、「原子炉等解体撤去」、「建屋等解体撤去」の4段階に区分され、使用済み燃料は、2026~40年度までを見込む「原子炉周辺設備等解体撤去」で2号機施設外への搬出を完了し、廃止措置終了前までに再処理事業者へ譲渡する。
九州電力では、1、2号機の並行作業により、「原子炉周辺設備等解体撤去」で利用可能な作業場所が半分程度となるため、その実施期間に倍程度を要するものと想定。1号機については、同期間以降、各工程区分の開始・終了時期が2号機とそろうこととなり、廃止措置完了時期が11年先送りとなった。
現在、国内の原子力発電所で廃止措置中または廃止決定となっているプラントは24基(福島第一1~6号機を含む)に上っており、こうした現状から、日本原子力発電は3日の原子力委員会会合で、廃止措置の現状と課題について報告した。同社廃止措置プロジェクト推進室長の山内豊明氏は、安全かつ効率的な廃止措置に必要な要素として、(1)廃止措置のカルチャーとマインド、(2)解体廃棄物の搬出先確保、(3)廃止措置資金と会計制度、(4)廃止措置に相応しい規制――を提示。さらに、米国の廃止措置専業会社エナジーソリューションズ社との協力で実施する「EVMS」(Earned Value Management System:収益管理システム)トレーニングを紹介し、廃止措置におけるプロジェクトマネジメントの重要性を強調した。
また、中部電力も同日、規制委員会との意見交換の中で、浜岡原子力発電所1、2号機廃止措置の取組について説明し、両機合わせて発生する解体撤去物約45万トンのうち、約8万トン(17%)はクリアランス可能との試算を示すなどしている。