福島第一廃炉戦略技術プランが公表、燃料デブリ取り出しは2号機から
原子力損害賠償・廃炉等支援機構は9月9日、「福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン」を発表した。福島第一原子力発電所の廃炉に向けた中長期ロードマップに技術的根拠を与えるものとして、同機構が2015年以降毎年取りまとめているもの。
今回の技術戦略プランでは、中長期ロードマップで2019年度内を目指している初号機の燃料デブリ取り出し方法の確定に関して、現場の線量やアクセスルート、原子炉格納容器内部調査の進展状況他、使用済み燃料プール内の燃料取り出しなど、サイト全体の状況を踏まえ、初号機は「2号機が適切」と評価。2号機の原子炉格納容器内部調査では堆積物を動かせることが確認されており、2019年度下期にも少量サンプリングを開始すべくアーム型アクセス装置の開発が具体化している。2号機から着手することで、「迅速に1~3号機の燃料デブリ全体のリスクを低減できる」としており、収納・移送・保管までの一連の作業を安全かつ確実に継続し、その後の展開に向けて必要な情報・経験を迅速に得ていくものと提案。取り出した燃料デブリは、福島第一原子力発電所内の保管設備に移送し乾式にて一時保管するとしている。