内閣改造で菅原経産相、小泉環境相他就任
第4次安倍内閣の改造が9月11日に行われた。経済産業大臣には、2012年末の政権交代時に同副大臣を務めた経験のある菅原一秀衆議院議員(=写真)が就任。
同日晩初登庁した菅原大臣は記者会見に臨み、重要課題としてまず、福島第一原子力発電所の事故対応と福島復興の完遂に取り組むことをあげた。さらに、今回改造内閣の基本方針の中に引き続き掲げられた「戦後最大のGDP600兆円」の実現に向け、生産性や人づくりに革命を起こし、国内産業の再興、イノベーションの基盤強化、ベンチャー企業の育成、地域雇用の創生などに取り組む意欲を示した。エネルギー政策については、「現在および後世の国民生活に対し責任ある政策を展開していく」と強調した上で、安全性の確認された原子力発電所の再稼働、省エネルギーの徹底、再生可能エネルギー導入の推進、火力発電の効率化など、バランスよく活用し、2030年のエネルギーミックス実現を目指すとしている。また、台風15号の影響により千葉県を中心に多くの家屋で停電が続いていることから、「とりわけ人の命を預かる病院などでは喫緊の問題。一刻も早い復旧に全力を注ぐ」と繰り返し強調した。
環境大臣兼内閣府原子力防災担当大臣には小泉進次郎衆議院議員が就任。「地球温暖化問題の解決はイノベーションなくして達成しえない」、「福島第一原子力発電所事故の教訓を決して忘れてはならない」として、脱炭素化社会の構築に向けたビジネスチャンスの創出や、関係自治体と一体となった原子力防災体制の充実・強化に取り組む姿勢を示した。
復興大臣には田中和德衆議院議員が就任。2020年度末の「復興期間」終了まで1年半を切り、「現場主義の徹底」のもと、地震・津波被災地復興の総仕上げ、福島の本格的な復興に向けた取組を加速化する考えを強調。
オリンピック担当大臣には橋本聖子参議院議員が就任。元オリンピアンとしての経験も活かしながら、「被災地が復興を成し遂げていく姿を世界に発信していく」として、復興オリンピック・パラリンピックの実現に全力をあげるとした。
文部科学大臣には萩生田光一衆議院議員が、内閣府科学技術政策担当大臣には竹本直一衆議院議員が就任。竹本大臣はイノベーションの創出に向け基礎研究を拡充していく必要性などを述べた。