原子力機構、材料試験炉「JMTR」の廃止措置計画を規制委に申請
日本原子力研究開発機構は9月18日、原子力規制委員会に、材料試験炉「JMTR」(熱出力5万kW、=写真)の廃止措置計画の認可申請を行った。
「JMTR」は、2006年に運転を停止した後、炉心周辺設備更新のため2007~10年度にかけて改修が行われ、福島第一原子力発電所事故後は、再稼働を目指し2015年3月に新規制基準の適合性審査に入ったが、耐震補強などに要する費用・年数から、2017年4月に原子力機構が公表した「施設中長期計画」で廃止施設に位置付けられた。
廃止措置の全体工程は、「解体準備」、「原子炉周辺設備の解体撤去」、「原子炉本体設備の解体撤去」、「管理区域解除」の4段階からなっており、2039年度に完了する予定。
原子力機構の原子炉施設に関しては、中性子利用に供する研究炉「JRR-3」、原子炉安全性研究炉「NSRR」、定常臨界実験装置「STACY」が新規制基準の適合性審査をクリア(原子炉設置変更許可)し、「NSRR」は2018年6月に運転を再開。「JRR-3」は2020年度中の運転再開を目指している。この他、高温工学試験研究炉「HTTR」、高速実験炉「常陽」は現在、同審査中となっている。また、既に廃止措置が進められている高速増殖原型炉「もんじゅ」では、9月17日に炉心からの燃料体取り出し作業が始まった。