広域機関が今冬の電力需給見通し、全国的に「予備率3%を確保できる」

2019年10月24日

 今冬の電力需給見通しについて検証した 報告書 が10月23日、電力広域的運営推進機関の委員会で審議された。各電気事業者に提出を求めた供給計画などに基づき分析されたもので、過去10年間で最も厳しい気象条件を想定し一定の電源が計画外停止した場合でも「全国で安定的な電力供給に必要な予備率3%を確保できる」との見通し。
 冬季に電力需要がピークとなる北海道については、北海道胆振東部地震発生時(2018年9月)の実績を踏まえ、154万kWの大規模な電源停止が生じても3%以上の供給予備率を確保できるとしている。
 電源別に見込まれる供給力は、原子力632万kW(1月)、火力(同)12,688万kW、水力956万kW(同)など。火力では、運転開始から46年となる東北電力東新潟火力・港1号機(LNG、34万kW)が、供給力として引き続き含まれている。
 また、報告書では今夏の電力需給実績の検証についても合わせて記載。台風15号が日本列島を通過した9月10日には、関東、東海、近畿で35度C以上の猛暑日となり、特に中部エリアでは最高気温が平年より6.7度C高い 36.6度Cに達したことなどから、同日の最大電力需要は想定の2,357万kWを大きく上回る2,568万kWを記録した。9月上旬は、猛暑の影響で需給が厳しくなり、広域機関は、9日に中国エリア、10日に東京、中部、九州の各エリアに対し、電力の融通を指示している。
 同報告書は、近く総合資源エネルギー調査会に諮られ最終決定となる運び。