秋の叙勲、旭日大綬章を元九州電力社長の松尾氏らが受章
政府は11月3日、秋の叙勲 を発表。原子力関連では、旭日大綬章を元九州電力社長の松尾新吾氏、科学技術庁長官や財務大臣などを歴任した谷垣禎一氏が受章した。
松尾氏は、2003~07年の九州電力社長在任中、国内初となった玄海原子力発電所3号機のプルサーマル導入に向けて、地元への理解活動などでリーダーシップを発揮した。また、九州経済連合会会長も務め、電気事業の発展とともに九州地方の産業振興に尽力した。
谷垣氏は、1997年の第2次橋本改造内閣発足で科学技術庁長官として初入閣。折しも、「もんじゅ」事故や東海再処理施設火災爆発事故の発生、その後の対応により「経営の不在」が問題視されていた旧動力炉・核燃料開発事業団の建て直しに取り組んだ。
また、旭日重光章を元経済産業副大臣の松宮勲氏、前島根県知事の溝口善兵衛氏が、瑞宝重光章を元文部科学審議官の青江茂氏、元科学技術事務次官の岡﨑俊雄氏、京都大学名誉教授の佐和隆光氏が受章した。
松宮氏は2012年の第3次野田改造内閣発足で経済産業副大臣に就任し、東日本大震災後のエネルギー政策の見直しに、溝口氏は2007~19年の3期12年にわたり島根県知事を務め、立地地域として島根原子力発電所の安全・防災対策の強化に取り組んだ。
青江氏は文部科学審議官在任中、ITERの国内誘致に向け国際対応に臨んだほか、退任後は旧日本原子力研究所副理事長を務めるなど、科学技術行政とともに原子力研究開発の推進にも尽力した。また、岡﨑氏は科学技術事務次官在任中、1999年にJCO臨界事故が発生したのを受け、その後の原子力安全行政の刷新に先鞭を付けた。さらに、退任後は、旧日本原子力研究所の理事長を務めたほか、2005年に同所と旧核燃料サイクル開発機構とが統合し日本原子力研究開発機構が発足した後は、2007~10年に2代目理事長として、初代殿塚猷一理事長を引き継ぎ新法人の経営を軌道に乗せた。佐和氏は原子力委員会の専門委員として2000年の原子力研究開発利用長期計画の策定審議に参画した。