福島第一1号機使用済み燃料プールからの取り出し、ダスト飛散対策で大型カバー設置案も検討
東京電力は11月28日、福島第一原子力発電所1号機の使用済み燃料プールからの燃料取り出しについて、これまでの「がれき撤去完了後に燃料取り出し用のカバーを設置する」プランに加え、ダスト飛散対策の観点から、「先行して原子炉建屋を覆う大型カバーを設置し、カバー内のクレーンでがれき撤去を行う」プランも合わせ検討を進めていることを発表した(=図、東京電力発表資料より引用)。いずれのプランも現在実施中のがれき落下対策以降の作業となる。
1号機の燃料取り出しに向けては、崩落した屋根の下敷きとなっている天井クレーン・燃料交換機が、がれき撤去の際に使用済み燃料プールに落下するおそれもあり、障害物や汚染状況の調査をこれまで進めてきたが、調査結果を踏まえ、「ダスト飛散に留意したより慎重な作業が求められる」との考えから、新たなプランが追加された。プラン検討に当たり今後、(1)ダスト飛散対策、(2)作業員被ばく、(3)雨水対策、(4)原子炉建屋周辺工事への影響――を中心に総合的に評価していく。
福島第一廃止措置の中長期ロードマップでは、2023年度を目処に1号機使用済み燃料プールの燃料取り出しを開始することとなっている。