福島第一廃止措置、中長期ロードマップの改訂案が示される
経済産業相をヘッドとする福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策チーム会合は12月2日、燃料デブリ取り出しを2号機から行うことなどを記した中長期ロードマップの改訂案について議論した。近く関係閣僚会議で正式決定となる運び。〈経産省発表資料は こちら〉
中長期ロードマップは、事故発生後、福島第一原子力発電所のプラント安定化を受け、汚染水対策、1~4号機の使用済み燃料プールからの燃料取り出し、1~3号機の原子炉圧力容器・原子炉格納容器からの燃料デブリ取り出しなど、廃止措置に向けた時期的目標や具体的計画を示すものとして、2011年12月の策定以降、進捗状況を踏まえ改訂が行われてきた。
今回の改訂案では、現行のロードマップで2021年内開始としていた燃料デブリ取り出しについて、安全性、確実性、迅速性や、廃炉作業全体の最適化の観点を踏まえ、2号機から試験的に着手し、段階的に取り出し規模を拡大していくとされた。同機では、2019年2月の原子炉格納容器内部調査で、小石状の堆積物を持ち上げることに成功しており、今後、最大約22m長のアーム型アクセス装置を導入した少量サンプリングも計画されている。
使用済み燃料プールのからの燃料取り出しに向けては、2019年4月に取り出しを開始した3号機では2020年度内の完了を目指すとされた。東京電力では、11月末に1号機では大型カバーを設置する新工法を含めた検討を始め、2号機でも建屋を解体しない工法を選択するなど、燃料取り出しに際しダスト飛散を抑制する対策を進めており、中長期ロードマップ改訂案では、いずれの号機についても、個別の目標工程は、精査の上、適切に再設定するものとしている。
中長期ロードマップの改訂案提示に際しては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が、8月の「福島第一廃炉国際フォーラム」(いわき市・富岡町)での議論も踏まえ、9月の地元関係者評議会で「技術戦略プラン」を示している。