福井県「嶺南Eコースト計画」年度内策定へ、杉本知事が議会で説明
福井県の杉本達治知事(=写真)は2月18日、県議会の開会に際し行った所信表明の中で、原子力関連施設を多く立地する嶺南地域を中心にエネルギーを活用した地域振興を図る「嶺南Eコースト計画」の案を取りまとめたことをあげ、議会での議論や県民からの意見を反映し年度内に同計画を策定する考えを示した。
福井県ではこれまで、2005年に策定された「エネルギー研究開発拠点化計画」に基づき地域の持つ原子力技術を活用した取組を通じ多くの成果をあげてきたが、原子力発電プラントの廃炉進展など、エネルギーを取り巻く環境変化や、今後の北陸新幹線延伸計画も踏まえ、2018年より新計画の検討を進めてきた。
「嶺南Eコースト計画」の案は、2020年度から概ね10年程度を展望し、「エネルギー」(Energy)をキーワードに、「地域経済の活性化」(Economy)、「エコなまちづくり」(Ecology)、「北陸新幹線の整備効果を活かした拡大・発展」(Expand)など、様々な「E」の実現を全体像として描いている。基本戦略として、(1)原子力関連研究の推進および人材育成、(2)デコミッショニング(廃炉)ビジネスの育成、(3)様々なエネルギーを活用した地域振興、(4)多様な地域産業の育成――を掲げ、国や自治体、産業界などと協力し具体的なプロジェクトを推進していく。
2019年4月に就任した杉本知事は、前任の西川一誠知事から引き続き総合資源エネルギー調査会の委員を務めており、立地地域の立場から、原子力技術・人材の維持・強化の重要性を国に対し訴えかけている。