国内モリブデン供給は今週の最悪期脱出へ、オランダから代替購入

2009年6月16日

 がんの診断薬となるテクネチウム造影剤の原料モリブデンを生産するカナダ原子力公社(AECL)のNRU炉の重水漏れ事故で、日本への供給も滞っている中、日本アイソトープ(RI)協会は9日、緊急連絡の第六報として、「モリブデン原料の代替入荷について、一時的かつ少量ではあるが、見込みが立った」として、6月15日から27日までの供給可能なテクネチウム製品の具体的な内容を、供給会社の日本メジフィジックス社と富士フイルムRIファーマ社別に示した。(原産協会HP「海外の原子力ニュース」にNRU炉の現況記事を掲載)

 同協会の担当者によると、今週が供給不足の最悪の状況となる見込みであり、来週からはオランダのHFR炉からのモリブデンをスポット価格で購入することで、少しずつ供給を増やしたい、としている。しかし、世界市場でのスポット価格は高騰しており、どこまでの量を確保できるかは不確定。