安全規制 「経験と知見」重用 国際基準との整合性も
経済産業省の原子力安全・保安部会基本政策小委員会(委員長=村上陽一郎・東京理科大学科学教育研究科長)は、今後の安全規制のあり方を方向づける報告書案「原子力安全規制に関する課題の整理」を取りまとめ、8日から一般からの意見募集を開始した。
同小委員会は4月より、2001年の原子力安全・保安院発足以降の安全規制を取り巻く環境の変化を踏まえ、今後、取り組むべき安全規制の課題について、審議を行ってきた。
同報告書案では、今後、保安院が取り組むべき課題を、(1)安全規制における経験と知見の活用(2)規制対象の変化を見越した取組(3)経済的・国際的な状況変化への対応(4)ステークホルダー・コミュニケーションに関する取組(5)機能的な規制機関への取組――の観点から、抽出・整理している。
「規制対象の変化を見越した取組」については、発電炉の高経年化、中間貯蔵事業の進展、原子炉施設廃止措置の本格化、放射性廃棄物処理・処分に係わる状況の進展、次世代軽水炉等開発といった規制対象の拡大・多様化を見通し、適時・的確な対応の必要性を述べている。