産構審 成長戦略に向け中間整理 原子力発電、再起動を

2011年7月1日

経済産業省の産業構造審議会・産業競争力部会(部会長=伊藤元重・東京大学経済学研究科教授)は22日、2回目の会合を開き、中間取りまとめについて審議した。

震災後の日本再生に向けた施策の方向性を示すものとして、24日の新成長戦略実現会議に海江田経産相より報告された。「産業空洞化の防止」と「成長力の創出・強化」を柱に据え、エネルギー政策では、当面の電力需給対策として、国内の全原子力を火力で代替した場合、3兆円の発電コスト増との試算を示した上で、安全が確認された原子力発電所の再稼働を訴えるなどしている。

「かつてない空洞化の危機を乗り越えるために」との副題を掲げた本取りまとめではまず、昨夏の「産業構造ビジョン2010」策定後、(1)足下での成長期待の低下(2)電力需給の逼迫とコスト上昇懸念(3)製造業のサプライチェーンの「脆弱性」の顕在化(4)海外における日本ブランドへの信頼性に対する影響――を新たな課題ととらえ、「産業空洞化の防止」と「成長力の創出・強化」のための施策を迅速かつ大胆に実行すべきとしている。