サイクルの得失を検討 大綱策定会議 「評価軸」整理へ

2012年2月2日

原子力委員会の第12回新大綱策定会議が1月26日、都内で開かれ、放射性廃棄物の処理・処分について審議し、同24日に開かれた原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会での検討内容も報告された。


放射性廃棄物の処理・処分については、杤山修・原子力安全研究協会処分システム安全研究所所長が、高レベル放射性廃棄物の特徴や処分の基本的な考え方、今考えられている処分方法などについて説明した。


杤山氏は、日本の地層処分の技術的成立性について、(1)火山や地震の多い変動帯にある日本で、地層処分システムの設置に適した安定な地質環境を見つけることができるか(2)人工バリアや処分施設が、技術的にも経済的にも無理なく設計施工できるか(3)構築された地層処分システム(地質環境、人工バリア)の長期にわたる性能を信頼性をもって評価すること(安全性を判断すること)ができるか──との課題を提示。


これに対して同氏は、「技術的に成立するという十分な根拠がある」とした上で、地層処分を社会に受け入れてもらうためには、公衆からみた専門家の自信過剰と専門家からみた公衆の不信過剰の溝を埋めるためのコミュニケーションが必要との見解を示した。