東日本大震災3周年シンポ、前米NRC委員長ヤツコ氏が危機対応で講演

2014年3月13日

 東日本大震災から3周年を迎え、危機対応やリスクガバナンスについて、グローバルに考えるシンポジウムが11日、都内で開かれた。「福島原発事故独立検証委員会調査・検証報告書」(民間事故調)や「日本最悪のシナリオ 9つの死角」を取りまとめた日本再建イニシアティブと、東京大学政策ビジョン研究センターの主催で、前米国原子力規制委員長のグレゴリー・ヤツコ氏が基調講演に立ち、発災当時の対応を振り返りながら、危機発生時のコミュニケーション、意思決定、リーダーシップのあり方について教訓を述べるなどした。
 ヤツコ氏は、11年3月の発災時、大津波の影響に鑑み、米国西海岸の原子力発電所の状況を案ずるとともに、日本支援のための人員派遣、在日米国人へのアドバイスなどに奔走したことを振り返った。同氏は、インターネットの普及でコミュニケーションの方法が変わり、常に新しい情報を流さねばならない一方で、不十分な情報も錯綜する中で、意思決定を行わなければならないという危機時に際し「2つの圧力」を指摘した上で、「情報は間違っていても隠してはいけない」として、情報の透明性を強調したほか、大所高所でものを見られるリーダーシップの存在にも言及した。

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