来年度の関係予算要求 福島復興加速など重点に 停止長期化の影響緩和 対策予算を倍増も
15年度概算要求が8月末までに各府省より出そろった。
エネルギー・原子力関係予算をみると、経済産業省は、エネルギー対策特別会計で、14年度比11.7%増の9748億円を要求した。エネルギーコストの上昇や資源の供給不安への直面から、4月に閣議決定された「第4次エネルギー基本計画」の実現に向けた取組を確実に実施していく方針。原子力関連では、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」(13年12月閣議決定)を着実に実施するとともに、原子力発電の安全基盤構築を進め、立地地域への支援を確実に行うことを掲げ、廃炉・汚染水対策研究開発で新規に110億円を計上し、難易度が高い技術のフィージビリティ調査などに必要な費用を補助する。また、長期稼働停止に伴う地域への影響緩和などへの取組強化から、原子力発電施設立地地域基盤整備支援事業も17.7億円の倍額要求となっている。
文部科学省は、原子力関連で総額1802億円(14年度比25.5%増)を要求し、新規に「福島第一原子力発電所の廃止措置等研究開発の加速プラン」として81億円を計上している。これは、安全な廃止措置を推進するため、先端的技術開発と人材育成の加速化に向け、2年計画で「廃炉国際共同研究センター」をサイト近傍に整備するほか、廃炉に関する研究開発課題の新規採択、人材育成プログラムの強化などを図るものだ。
この他、「原子力の基礎基盤研究とそれを支える人材育成」、「安全性向上に向けた研究」、「核燃料サイクルおよび高レベル放射性廃棄物処理処分の研究開発」、「原子力施設に関する新規制基準への対応等、施設の安全確保対策」などで、予算拡充が図られている。
環境省は、放射性物質により汚染された土壌等の除染実施で2953億円(14年度比14.4%増)、放射性物質汚染廃棄物処理事業で1505億円(同13.2%増)などとなっている。
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