柏崎刈羽原子力発電所の運転再開について(服部拓也・原産協会理事長のコメント)

2009年5月8日

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 服部 拓也

平成21年5月8日

柏崎刈羽原子力発電所の運転再開について

社団法人 日本原子力産業協会理事長

服 部 拓 也

 

 昨日、東京電力株式会社 柏崎刈羽原子力発電所7号機の運転再開について同意する旨が、新潟県知事より新潟県議会で表明された。

 一昨年夏の新潟県中越沖地震による被災後、東京電力は、精力的に設備の点検・復旧、耐震強化工事の実施、発電所防災体制の整備等、災害に強い発電所づくりをすすめ、復旧状況の積極的な公開やリーフレットの全戸配布による丁寧な説明を通じて地域社会からの信頼回復に努めてきた。また、国による安全確認、国・地元自治体や事業者による複数回の住民説明会の開催などが行われてきた。これらを踏まえた、地元住民を代表する3首長からの同意を得ての運転再開である。

 地震による原子力発電所の被災は国内外から大きな関心を集め、多くの専門家が状況把握と復旧への取り組みに参画し、国際原子力機関(IAEA)による現地確認も行われた。この経験と知見は、原子力発電の安全性向上のため、国内にとどまらず世界共通のものとしなければならない。  

 柏崎刈羽原子力発電所の運転再開は、我が国のエネルギー安全保障および地球温暖化防止対策に大きく貢献するものである。これまでの復旧対策の総仕上げである起動試験をひとつずつ着実にすすめ、今夏に向けたベースロード電源として、確実に戦線復帰することが望まれる。  

 また、残る6基についても万全な安全対策により復旧をすすめ、地域社会の安心につながるよう、その状況をこれまで以上に丁寧に説明していく必要がある。  

 地震による原子力発電所の長期停止という世界初の事態は、関係者の取り組みによりようやく復旧の第一歩を踏み出すが、今回得られたことを教訓とし、安全性の向上と地域社会の安心に向けて、たゆまぬ努力を求めたい。

 

以 上

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