第33回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会における新井理事長発言内容

2022年11月8日

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗

2022年11月8日開催の第33回原子力小委員会において、新井理事長より専門委員として以下の発言を行いました。

私からは2点申し上げます。

1点目は「利用政策の観点からの運転期間の在り方について」です。

安全性を確保しながら既存炉の運転期間を延長することが最も経済的なCO2削減対策である、との国際機関の報告もあります。わが国においてもエネルギー安定供給と国際的公約である2030年46%削減、2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、既存炉の早期再稼働の実現とともに、運転期間延長を含む原子力の最大限活用が不可欠であると考えます。

わが国の現状の運転期間の制限は、関係機関の議論の状況から、安全規制上の判断では無く利用政策上の判断である事がより一層明確になりました。

特に11月2日の原子力規制委員会の議論では、「暦年で60年を超えて運転する場合でも、安全上必要なタイミングで劣化評価等を実施させることが可能となるような」方向で安全規制上の検討を進めていくとされました。

利用政策の観点からは、今回ご説明の通りいくつかの案が示されましたが、運転期間制限に関しては原子力を最大限活用していく方向としていただければと考えます。

2点目は「国際連携の推進について」です。

わが国のサプライヤーは、従前より高い技術力による高品質な製品の供給で定評があります。海外で増加すると予想される原子力発電所の建設プロジェクトにわが国のサプライチェーン企業が参画していくことは、各企業の技術力維持・強化とともに、世界の原子力発電所の安全性向上にも寄与することが期待できます。

ただし、各企業では海外経験の違いや事業規模の違いなど、海外進出の壁の高さが異なりますので、企業によってはリスクの負担軽減など、政府、関係機関の支援が必要です。

当協会でも、輸出先との接触機会を提供するバイヤーズガイドの作成や、日仏日米の原子力産業対話などの機会を通じて情報提供等を行っており、わが国のサプライチェーン企業が海外でのビジネス機会を得られるよう努めて参る所存です。

以上

<参考>第33回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(METI/経済産業省)

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