第41回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会における増井理事長発言内容
一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 増井 秀企
2024年10月16日開催の第41回原子力小委員会において、増井理事長より専門委員として以下の発言を行いました。
日本原子力産業協会の増井でございます。我が国では、エネルギーセキュリティの確保、資源の有効利用、放射性廃棄物の減容化・有害度低減の観点から原子燃料サイクルを推進しています。原子力発電と原子燃料サイクルには密接な関係がございます。この観点から2点申し上げます。
1点目は、「再処理工場のサプライチェーンについて」でございます。
再処理工場の安全・安定的な長期利用を達成するためには、保全技術の維持・向上、取替用部品の確保を含む適切な施設管理が大変重要であります。これには、事業者とサプライヤーの緊密な連携と協力が欠かせません。
再処理工場の機器は、国内では六ケ所でしか使われていない製品が多いこと、また海外製品が多いこと、から原子力発電所のサプライチェーンとは事情が異なっております。
原子力発電所のサプライチェーンの維持については、国から人材育成や事業承継などの支援をいただいております。
再処理工場についても、海外技術の情報収集や、バックアップとしての国内サプライヤーからの調達に備えた技術開発や技能向上への支援を、国にお願いしたいと思います。
2点目は、「プルサーマルの着実な実施」についてであります。
原子燃料サイクルを着実に回し、原子力発電を持続的に活用してゆくためには、既設プラントにおける円滑なプルサーマル実施はもとより、長期的には新規建設されるプラントでもプルサーマルを実施してゆかなければなりません。
現在審査中のプルサーマル実施予定プラントにはフルMOXプラントも含まれており、着実な審査の進捗を期待いたします。
また新規建設につきましては、これまで当委員会において事業環境整備の議論がございました。例えば、
- 原子力発電所の新規建設を前提に、その基数と時間軸をエネルギー基本計画に明記すること。
- 資金調達においては、政府の債務保証並びに融資が重要であること。
- 投資回収においては、海外制度を参考に建設費や運転保守費などの回収を確実にすること。
これらの意見について、原子燃料サイクル推進の観点からも基本政策分科会で共有し、しっかりと議論いただけますようお願いいたします。
以上
<参考>第41回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(METI/経済産業省)
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