第43回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会における増井理事長発言内容
一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 増井 秀企
2024年11月20日開催の第43回原子力小委員会において、増井理事長より専門委員として以下の発言を行いました。
日本原子力産業協会の増井でございます。
年内にエネルギー基本計画の素案が提示されるとのことですので、本日は計画への記載の観点から3点申し上げます。
1点目。現行計画にある「原子力への依存度低減」の記載は削除していただきたいと考えます。原子力の特長としての「ベースロード電源として安定的で経済性があること」や「効果的なCO2削減対策であること」を改めて強調したいと思います。原子力産業界は、安全確保を大前提として、原子力の価値の向上、この実現に最大限の努力を行っていく所存です。
2点目。エネルギー基本計画に新規建設を前提とした原子力の必要容量と時間軸を明記して頂くことをお願いします。これは人材確保、技術継承、サプライチェーン維持の観点から大変重要です。
これまで本委員会や他のエネルギー関連委員会では、電力需要が伸びる見通しが共有されています。一方、原子力の設備容量は2040年までに358万kW分、2050年までに1406万kW分減少すると報告されています。福島第一原子力発電所事故前には、複数の新規建設プロジェクトが進行中でした。今後低減していく原子力容量を補うためには、これらのプロジェクトの再始動も必要であり、国においては支援をお願いしたいと思います。
3点目。エネルギー基本計画に、資金調達・投資回収などの事業環境整備の方針を明記して頂くことをお願いしたいと思います。また、その整備、安全審査、規制にかかる期間などを踏まえ、新規建設をタイムリーに実現していくためのロードマップを示して頂きたいと考えます。
最後になりますが、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、原子力の貢献が大きく期待されていると思っております。リードタイムが長いプロジェクトであるため、次期エネルギー基本計画は大変重要なものと考えております。民間事業者の意思決定の根拠となるような明確な指針となることを期待しております。
以上
<参考>第43回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(METI/経済産業省)
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