第7回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 革新炉ワーキンググループにおける大野専門委員発言内容
一般社団法人日本原子力産業協会
2023年12月11日開催の第7回革新炉ワーキンググループにおいて、当協会大野課長より専門委員として以下の発言を行いました。
日本原子力産業協会の最新の原子力産業動向調査によりますと、わが国原子力産業界は2022年度の原子力関係売上高1.9兆円、調査対象外の企業も含めれば原子力産業全体での従事者数は8万人と言われています。
2050年脱炭素社会に向けて、海外の原子力産業から日本の実績や経験に関心が高まっており、政府間や各国産業団体レベルで、サプライチェーンの連携・協力の文書が結ばれています。
国の政策に基づき、高温ガス炉・高速炉の実証炉開発が促進されることは、原子力産業界全体の実力を涵養するとともに、若者の原子力技術への興味を高め、今後のその他の革新炉の開発・建設を支える人材の確保にも寄与するものと思います。
また今後、高温ガス炉・高速炉の実証事業の成果を広く社会にPRしつつ、国民の原子力に対する信頼と支持につなげていくことも重要であると思います。
現在、世界的にCNへの期待が高まる中、原子力は、日本が世界のCN達成に向けて技術貢献できる分野の一つであると思います。また、この実証事業は、発電分野のみならず、それ以外の運輸や工業等の脱炭素化が難しい分野のCN達成の切り札となる可能性を秘めた事業です。
一方、原子力サプライチェーンの維持・強化の根幹に係わる人材、特に若手の人材確保は業界にとって最重要課題の一つとなっています。私どもとしては、次世代革新炉はチャレンジングな分野であり、夢とやりがいのある分野であることを、特に若い世代に対して一層アピールして頂きたいと思います。
最後にもう1点、資料に示されている今後の次世代革新炉の展開スケジュールや論点を拝見いたしますと、新しい炉を開発していくうえでの「規格・基準の整備」が挙げられています。世界に目を向けますと、世界の規制当局同士が新型炉の審査基準の策定などで連携・協力し、効率的な審査につなげていくことが検討されています。展開の時間軸を考慮いたしますと、わが国でもこうした規制の調和活動ということも、今後の検討テーマとして重要なポイントになってくるかと思います。
以上
<参考>
第7回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会 革新炉ワーキンググループ(経済産業省)
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