第23回 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会 原子力研究開発・基盤・人材作業部会における和田委員発言内容
一般社団法人日本原子力産業協会
2024年7月5日開催の第23回原子力研究開発・基盤・人材作業部会において、当協会和田部長より委員として以下の発言を行いました。
(3)今後の原子力科学技術に関する政策の方向性
中間まとめの中で大事だと思われる点を2点申し上げます。
一点目は、原子力の価値についてです。
この政策の方向性に、色々な原子力の価値を示していただいています。
高速炉による放射性廃棄物の有害度低減や、医用RIの製造、資料3-1の29ページに記載のある、劣化ウランを用いた蓄電技術や、廃棄物の熱・放射線を用いた発電技術など、一般にはあまり知られていないと思います。
このような原子力の貢献や取り組みなどを広く社会に知っていただき、原子力の価値への認識を高めるとともに、若い世代を惹きつけるきっかけにしていただければと思います。
二点目は、人材の育成・確保についてです。
原子力を持続的に活用していくためには、人材のすそ野を広げ、幅広い人材を確保することが必要です。
原子力システム研究開発事業について、資料3-1の24ページにある「他分野との連携」という点は、人材のすそ野を広げるためにも重要だと思いますし、国際イニシアティブ事業については、27ページで、多様な人材の育成ということで「すそ野拡大」という方向性が示されています。
多くの人に原子力業界に入ってきてもらうためには、多様な分野の学生等に原子力に興味を持ってもらうことが大事だと思いますので、ぜひこれらの取り組みを進めていただきたいと思います。
もう一点のコメントは、原子力損害賠償制度についてです。
30ページの(2)は、タイトルに「原子力事業の健全な発達に関する取組推進」という文言が入っています。
現在、エネルギー基本計画の議論で、原子力の最大限の活用と電力自由化の両立の点で、原賠制度のあり方について問題提起がなされています。
30ページには、令和 11 年末までの改正が予定されているという記載がありますが、そこまで待たなくとも、今後の原賠制度のあり方の議論をエネルギー基本計画の議論と一緒に進めていただきたいと思います。
以上
<参考>
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/100/kaisai/1422732_00025.htm
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