福島県、復興・創生に向け政府に要望書
福島県の内堀雅雄知事は6月12日、復興・創生に向けた要望書を関係省庁に提出した。先般、復興庁より2016年度以降5年間の「復興・創生期間」にかかる自治体負担の方針が示されたところ、廃炉・汚染水対策、除染、中間貯蔵施設への汚染土壌搬入など、「県全域で原子力災害は継続中」として、県の実情を踏まえた対応を要望したもの。財源に関しては、今後5年間における負担を極小化するため、避難12市町村内の県事業について全額国庫負担とすることを掲げている。
福島第一原子力発電所の安定化・廃止措置については、同日改訂された中長期ロードマップに基づき、国内外の英知を結集し、国が前面に立ち総力を挙げて取り組み、「県民の目に見えるよう確実に成果を出す」よう求めたほか、県の「原子力に依存しない」との基本理念から、2014年12月の緊急要望に引き続き、福島第二原子力発電所の廃炉を国の責任で決定することも要望している。さらに、今後の原子力災害発生に備えた広域避難体制の構築、緊急時に必要な資機材や電源確保にも万全を期すべきとしている。
中間貯蔵については、地権者への丁寧な説明、輸送の安全・確実な実施、施設整備と搬入見通しの早急な策定とともに、搬入後30年以内の県外最終処分に向け、処分地の選定や必要な技術開発など、具体的な工程を示すことが今回の要望書には明記された。
内堀知事は、15日の記者会見で「復興予算の確保は極めて重要」と述べ、原子力行政を推進してきた国の責務として復興施策の拡充を図るよう引き続き要請していく考えを強調した。
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