セシウム除去効果の高いコンクリートブロック開発

2015年7月14日

真:荒川教授開発のコンクリートブロック

開発したコンクリートブロックⓒ近畿大学

 荒川剛・近畿大学産業理工学部生物環境化学科教授は、高い吸水性と放射性セシウム除去力を持つ新しいコンクリートブロックを開発した。
 一般のコンクリートブロックにゼオライトを添加し、より高い吸収性を達成。アルミナとシリカの複合化合物であるゼオライトは、不要なアルミサッシやアルミホイルを破砕した産業廃棄物であるアルミドロスと、石灰岩を合成することによって得られる物質で、安価に入手できる。これにニッケルやコバルトなどのフェロシアン化物を加えたものを用いると、放射性セシウムの残留率が急激に低下し、90%を上回る除染率を達成した。
 同コンクリートブロックを、線量の高いホットスポットや、汚染水を含む湖沼などに設置することで、簡易かつ効率的な除染が期待される。今回の研究成果についてはブロック製造販売会社の福岡ILBと共同で特許出願中である。
 なお、近畿大学は全学をあげて、福島県川俣町の地場農産業活性化や教育・文化育成などの「復興支援」と、除染や健康管理など被災からの「再生支援」の二面からサポートする「『オール近大』川俣町復興支援プロジェクト」を推進しており、今回の研究成果も活かしながら支援を続けていく。

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