福島県、復興・創生に向け政府に要望
福島県は6月9日、復興・創生に向けた政府への要望書を取りまとめた。2016年度から5年間の「復興・創生期間」を「正念場」ととらえ、原子力災害からの復興・再生に向けて直面する福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策、避難者の生活再建、風評払拭などの諸課題に対し、十分な予算確保がなされるよう求めている。要望書は同日、内堀雅雄知事より、原子力の安全確保、浜通り地域の再生を目指す「イノベーション・コースト構想」の実現など、多くの要望事項が関係する経済産業省の高木陽介副大臣に手渡された。
今回の要望書では、政府が今夏までに示すとされている帰還困難区域の見直しに向けた考え方に関して、除染の推進とともに、地元市町村の意向を踏まえ、「姿がより具体的になるよう方針を示す」ことを求めている。
福島第一原子力発電所の廃炉については、東京電力に対する指導・監督の徹底、人材の計画的育成・確保、雇用の適正化、作業環境の改善や労働災害の防止対策、迅速な情報公開などに加えて、廃炉で発生する放射性廃棄物の処理・処分方法を検討するよう求め、県外において適切に処分するものとしている。
また、東京五輪開催を見据えた「イノベーション・コースト構想」の実現に関しては、ドローンなどの実証実験を行う拠点として整備する「ロボットテストフィールド」を、2020年開催の「ロボット国際競技大会」で活用することなどを要望している。
新たな要望事項としては、福島大学の震災復興の取組に対する総合的支援があげられており、次代の農業人材育成に向けた教育研究組織の新設・拠点整備など、必要な支援を図るよう求めている。
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