バッテンフォール社とE.ON社:共同所有プラントの廃止措置で協力

2015年6月1日

 スウェーデンのバッテンフォール社は5月28日、ドイツでE.ON社と共同所有していた原子力発電所の廃止措置・解体作業で同社と長期的に協力していく協定を結んだと発表した。ドイツでは福島第一事故を受けて2022年までにすべての原子力発電所を閉鎖する予定。バッテンフォール社は2011年に閉鎖されたブルンスビュッテルとクリュンメルの両発電所、および2021年に閉鎖予定のブロックドルフ発電所をE.ON社と共同所有しているため、E.ON社が蓄積した知見と経験を活用して、レベルの高い安全・環境基準を維持しつつ可能な限り経済的に廃止措置・解体作業を行いたいとしている。

 福島第一事故後の2011年8月、ドイツのA.メルケル政権はE.ON社所有のイザール1号機やウンターベーザー発電所を始めとする高経年化原子炉8基を閉鎖したが、同社は2003年に経済的理由によりドイツ北部のシュターデ発電所を閉鎖していた。その解体作業が概ね完了したことから、主にそこで得られた経験を共同所有プラントの廃止措置計画立案と実施に組み込む方針。最初のステップとしてすでに専門家の派遣を開始しており、大型機器の解体や作業のロジスティクス、廃棄物の処理処分に関する基本概念の開発・利用で協力を行う。また、運転終了段階と解体作業で得られた知見は両社間で継続的に交換するだけでなく、随時更新していくことになる。