WH社:UAEの導入計画支援でアブダビ事務所開設

2015年6月3日

 東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社は5月31日、アラブ首長国連邦(UAE)がアブダビ首長国西部のバラカで進めている原子力導入計画を支援するため、アブダビ事務所を開設したと発表した。同計画では2009年に韓国電力公社(KEPCO)の率いる企業連合が4基の「改良型PWR(APR1400)」を設計・建設することで200億ドルの契約を受注したが、冷却ポンプや計測制御(I&C)系は同設計の基幹技術部分で知的財産権を保有するWH社が供給予定。東芝パワー・システムズ社との緊密な連携の下、新事務所を拠点に安全かつクリーンで信頼性のある原子力の利点を中東地域でプロモートしていくとしている。

 出力140万kWのAPR1400設計は元々、米国のコンバッション・エンジニアリング(CE)社が開発した「システム80+」設計がベースで、その輸出に際してはCE社を統合したWH社が米国政府から個別の承認を得る必要があると言われている。この関連で、WH社はバラカ計画の一翼を担う米国籍企業としてKEPCOの企業連合に参加。主要機器に加えてエンジニアリングや許認可、人材育成サービスについても協力することになる。

 バラカ発電所建設サイトでは2012年の初号機着工を皮切りに、現在3号機まで建設作業が行われている。同計画を担当する首長国原子力会社(ENEC)は今年3月、連邦原子力規制庁(FANR)に1、2号機の運転認可を申請しており、1号機は2017年に、2号機はその1年後に営業運転を開始する見通しだ。