トルコ:エネ市場規制庁がアックユ計画に発電予備認可発給
トルコのアックユ原子力発電所建設プロジェクトを請け負ったロシアのロスアトム社は6月26日、同社がトルコで設立したプロジェクト会社のアックユ原子力発電会社に対し、トルコのエネルギー市場規制庁(EPDK)が25日付けで発電予備認可を発給したと発表した。これにより、アックユ会社は同認可の有効期間である36か月の間に、スケジュールに沿った投資活動を始めるとともに、建設工事の開始に必要な細かい不動産関連の権利や認証、地元当局の承認などを得るための手続が可能になる。同社がそれらの義務事項を期間内に完全に果たせば、EPDKが発電認可を発給することになると説明している。
この予備認可制度は2013年施行の新しい電気市場法に盛り込まれており、投資環境の自由化や競争力の増強を目的に、発電認可を申請した者に一定の条件下で、原則24か月有効な予備的許可を与えるのが主旨。120万kWのロシア型PWR(VVER)を4基建設するというアックユ計画については、トルコの環境都市計画省が昨年12月に環境影響評価(EIA)報告書を承認しており、アックユ会社は今年4月に起工式を開催した。発電予備認可はこうした状況から発給されたもので、通常は地元当局などから様々な認可を得る手続も容易になるが、原子力発電設備に対する発給は同国初であるため、通常よりは時間を要するとの見方もある。
トルコ初の原子力発電施設となるアックユ発電所は、選定された事業者が対象施設を設計建設・所有・操業するという「BOO契約」で初めて建設される。採用設計はロシアの最新式VVERの「AES-2006」で、稼働期間は60年を予定。アックユ会社では2019年~2020年頃の初号機完成を目指して、2016年にも本格的な建設工事を開始したい考えだ。