ドイツ:E.ON社が予定通り、グラーフェンラインフェルト原子力発電所を閉鎖
ドイツのE・ON社は南部バイエルン地方で操業していたグラーフェンラインフェルト原子力発電所(PWR、134.5万kW)を6月27日付けで閉鎖したことを明らかにした。法定の運転期限は今年12月末だったが、5月に燃料取り替え時期を迎えた同炉に新燃料を装荷すると1グラムあたり145ユーロ(約2万円)という高額な核燃料税がかかる。このため、3月28日に発表していた方針どおり約半年前倒しでの閉鎖となった。1982年に営業運転を開始した同炉は、年平均100億kWhを発電。33年間の総発電電力量は3,330億kWh以上にのぼっており、E.ON社は、これはバイエルン地方全体に4年間、電力供給するのに十分な量であり、同炉がバイエルン地方における電力需要の11.5%を賄っていた点を強調した。
2011年の福島第一原子力発電所事故を受けて、A.メルケル政権は経年化の進んだ原子炉8基を直ちに閉鎖。さらに、2022年までに残り9基をすべて閉鎖するという二度目の脱原子力政策に舵を切った。しかし、再生可能エネルギーの電力固定価格買い取り制度による電気料金の引き上げに歯止めがかからず、昨年8月からは同エネルギーの推進政策を段階的に廃止する法律を施行している。