ロシア:第4世代原子力システムを開発する国際フォーラムの延長協定に調印
ロシアの原子力総合企業ロスアトム社は7月1日、ロシア政府に代わって「第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)」の延長協定に調印したと発表した。経済性や安全性、持続可能性、核拡散抵抗性など、他のエネルギー源に対する十分な優位性を持つ原子力システムの概念開発を目指す国際協力の枠組で、今年2月に当初の枠組協定期間が満了。日本や米国、フランス、韓国などの締約国は2月26日に、GIF事務局が置かれている経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)で10年間の延長協定に署名済みとなっていた。
今回の調印はロスアトム社のS.キリエンコ総裁とNEAのW.マグウッド事務局長が行った(=写真)。同社によると枠組協定の延長は、ロシア原子力産業界の科学技術的および商業的な利益にかなっており、同国原子力部門の発展に良い影響が及ぶだけでなく、革新的な原子力技術の世界市場でロシアの経済的影響力を強化するにも役立つ。また、第4世代炉は原子力産業のみならず世界のエネルギー部門全体の将来をも担うとの観点から、この分野の国際協力継続は重要という判断に至ったと説明している。GIFは1999年に米国がその概念を提唱し、各国に参加を呼びかけた。参加国である12か国と欧州原子力共同体(ユーラトム)のうち、米国、日本、フランス、カナダ、中国、韓国、ロシア、スイス、南アの9か国とユーラトムが、協力の枠組を規定する国際約束(枠組協定)に署名。ガス冷却高速炉(GFR)や鉛冷却高速炉(LFR)、溶融塩炉(MSR)、ナトリウム冷却高速炉(SFR)、超臨界水冷却炉(SCWR)、超高温炉(VHTR)の6つの有望システムについて、事業取り決め等を作成し、具体的な研究開発プロジェクトに参加している