米国:ユニスター社がカルバートクリフス3号機計画のCOL申請を取り下げ
7月17日付けの米国連邦官報によると、米原子力規制委員会(NRC)は同日、メリーランド州におけるカルバートクリフス原子力発電所3号機(CCNPP3)増設計画の建設・運転一括認可(COL)申請の取り下げを承認した。事業者のユニスター・ニュークリア・エナジー(UNE)社が6月8日付けの書簡で取り下げ要請していたのを受けたもの。CCNPP3計画では仏アレバ社製・欧州加圧水型炉(EPR)の建設が想定されていたが、同計画の申請取り下げにより、米国でEPRを建設するためのCOL審査が継続中なのは、ペンシルベニア州のPPL社がUNE社と共同で進めるベルベンド原子力発電所1号機計画のみとなった。
UNE社は、北米におけるEPRの販売促進を目的にフランス電力(EDF)が米国籍のコンステレーション・エナジー(CE)社と合弁で起ち上げた事業体で、2008年にCCNPP3のCOL申請を完了した。同計画は米政府の融資保証適用候補に残ったものの、適用条件に難色を示したCE社が2010年に同プロジェクトから撤退し、UNE社は100%EDFの出資企業となった。米原子力法では外国資本のみの企業に対するCOL発給は許されておらず、NRCの原子力安全許認可会議(ASLB)も2012年、UNE社にCOLを発給することはできないとの裁定を下していた。
UNE社ではその後、米国籍のパートナー企業を捜していたが、今年2月に巨額の損失を抱えるアレバ社の米国法人がEPRの設計認証(DC)審査の一時停止をNRCに要請した直後、UNE社もCCNPP3計画のCOL審査の一時停止を要請。COLの取得には、想定設計であるEPRにDCが発給されることが条件の1つとなっていた。
なお、NRCの委員達は今年5月、外国企業が出資する新設計画の申請をケース・バイ・ケースで評価する等級別基準を策定するようスタッフに指示。近年の世界市場の現状を反映し、外国による資金調達や間接的な管理に道を拓く規則作りで合意したものと産業界から評価されている。