米国:アメレン社がキャラウェイ2号機増設計画のCOL申請取り下げへ

2015年8月5日

call 米国のアメレン社がミズーリ州キャラウェイ原子力発電所(=写真)における2号機増設計画の建設・運転一括認可(COL)取得を断念したことが、7月31日付けの同社の2015年第2四半期決算報告で明らかになった。 この中で同社は、COL取得の努力を非継続とするための損失引当金について言及。2015年の最初の6か月間と第2四半期中に、COL申請の取り下げにともなう特別損失で継続事業の純利益が4,300万ドル減少したことを明記している。

 同社は2008年、フランス電力(EDF)が出資するユニスター社と提携して仏アレバ社製・欧州加圧水型炉(EPR)の建設を想定したCOLを米原子力規制委員会(NRC)に申請した。しかし、翌2009年には「新たな州法により建設中利子の回収目処が立たない」として審査の一時中断を要請。これを受けてNRCはキャラウェイ2号機計画のCOL審査活動を停止していた。

 現地の報道によると、子会社であるアメレン・ミズーリ社のM.モーン社長は今回の判断の理由について、発電設備の長期的な必要性に関する評価や代替発電技術のコスト低下、ミズーリ州の規制枠組を挙げるとともに、ベンダーによる許認可手続の支援状況が変化したことを指摘。アレバ社が昨年の決算で48億ユーロの年間損失を計上し、2月に米国仕様のEPRに関する設計認証(DC)で審査活動の一時停止をNRCに要請したことを示唆した。同社長はまた、親会社のアメレン社は最先端の原子力技術開発を含めたクリーン・エネルギー源への投資を引き続き行う考えであり、電源多様化の努力は継続すると述べた模様。アメレン・ミズーリ社は現在、ウェスチングハウス(WH)社と組んで、WH社製・小型モジュール炉(SMR)の初号機をキャラウェイ原子力発電所敷地内に建設する計画を進めている。